院長ブログ 08
当院をご利用の皆様。
コロナも少しずつ落ち着き、世の中はウィズコロナに向けて様々な規制が緩和してきている状況です。
しかしながら病院はやはり免疫能の低い方や高齢の方が多く出入りする場所ですので
もうしばらく院内のマスク着用や出入りの際の手指消毒などご協力を頂くことになりますがご理解のほどよろしくお願い致します。
さて、3月16日は臨床研修医の国家試験の合格発表の日でした。
当院は4月より7名の初期研修医(基幹型)を迎える予定ですが、全員無事合格をいたしました。
本人たちはもとより受け入れる私たちも非常に気のもめる発表日でしたが、全員合格を勝ち取りほっとしております。
そこで今回は臨床研修について少しお話しいたします。
医師法の中の臨床研修に関する省令では
第二条 臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない。
とうたわれており、臨床研修病院は次の2つの区分があります。
一 基幹型臨床研修病院 他の病院又は診療所と共同して臨床研修を行う病院であって、当該臨床研修の管理を行うもの
二 協力型臨床研修病院 他の病院と共同して臨床研修を行う病院であって、前号に該当しないもの。
そして当院は臨床研修指定病院ですが、研修指定病院の指定を受けるためには、
1)一定数の医師を有していること、
2)救急医療を提供していること、
3)臨床研修を行うために必要な症例があること、
4)臨床病理検討会を適切に開催していること、
5)患者の病歴に関する情報を適切に管理していること、
6)医療に関する安全管理のための体制を確保していること、
7)研修管理委員会を設置していること、
8)プログラム責任者を適切に配置していること
などの様々なハードルがあり、当然当院はこれらをすべてクリアーしております。
当院はこの基幹型と協力型の両方を受け入れており
基幹型の研修医は2年間、協力型の研修医は前半の1年間を大学病院、後半の1年間を当院で研修することになります。
この研修期間に研修すべき必須科目と自由科目があり、必須科目は内科、外科、救急科、地域医療、小児科、産婦人科、精神科などがあります。
小児科や精神科など当院にはない診療科については大学病院などの他の医療機関にお願いして研修しております。
また希望があれば福岡赤十字病院、熊本赤十字病院など救急医療を数多く受け入れている日赤病院と提携を結び、短期間の出張研修を行うこともあります。
私も研修医時代は40年以上前になりますが、当時は朝早く出勤して午前様で帰宅することもたびたびありました。
しかし、現在は働き方改革の考え方が浸透し、時間外勤務の制限や勤務間インターバルの順守など、管理者として研修医の健康管理面も十分配慮する必要があり、貴重な将来の名医たちを注意深く見守っております。
研修医の業務に関しては単独でできるもの、上級医とともにしかできないもの、一切できないものと厳密な区別があり、病院として責任をもって教育に当たっております。
当院ご利用の皆様におかれてもそのような事情にご配慮の上、臨床研修に対してご理解とご協力を頂ければ幸いです。
さて、新年度が始まります。
当院ではこの7名の初期研修医以外にも総勢93名の新人職員を迎え、また気持ちも新たに利用者の皆様に良質で安全な医療を提供すべく頑張ってまいります。
このブログも今後様々なテーマで発信して行こうと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。