院長ブログ 09
当院をご利用の皆様
GWも明け、コロナも5類相当となり少しずつ日常生活が以前のペースに戻りつつある今日この頃です。
当院は医療機関ですので、完全にウィズコロナというわけにはいかず
院内でのマスク着用、入退館時の手指消毒をお願いするとともに、面会の制限などご利用の皆様にご不便をおかけいたしておりますが、もうしばらくご容赦いただきたいと思います。
ただ、国の方針が5類相当となりましたので、コロナ対応は病棟単位ではなくなり
これまでコロナ病棟として転用いたしておりました15階病棟をようやく本来の緩和病棟として運用を開始することができました。
しかし、約3年間コロナ病棟としての運用であったため、急に緩和病棟としてフル稼働することは困難であり
とりあえずはスロースタートとしております。
さて、緩和病棟の再開にふさわしい話題は何かと考えましたが
以前緩和病棟に対し市内の橋本耳鼻科様より長崎の宝ともいえるピアノをご寄贈いただいておりましたのでご紹介したいと思います。
橋本家の皆様は当院緩和ケア内科の後藤医師、大原医師と交友関係があり
また古くは先代の院長先生が私(谷口)の父と旧制中学の同級生という因縁浅からぬご縁があります。
ご寄贈を頂いたピアノは少しクラシックにご興味がある方なら誰もがご存じの“あの ”ルービンシュタイン” がリハーサルに使った由緒あるピアノです。
橋本家の誠にありがたいご厚意で当院の緩和ケア病棟に寄贈いただきました。
これは入院患者の皆様の限りない癒しになると確信いたしており、改めて橋本様に感謝申し上げます。
20世紀最高のピアニストともいわれるアルトゥール・ルービンシュタインは1966年
ちょうどビートルズが武道館で公演を行った直後に、同じく武道館で大盛況の下にコンサートを終えたそうです。
そのリハーサルのために予め特注されていた、このヤマハ製グランドピアノは
橋本清先生の叔父上の関係で約57年前、長崎にやって来て、橋本家の所蔵となったそうです。
叔父上からの紹介で、ドイツの名ピアニスト 故・リリー・クラウス氏や、日本人では故・中村紘子氏など
著名な国内外のピアニストが公会堂などで公演の前に橋本家を訪れ、入念なリハーサルを行っていかれたそうです。
ピアノにはサインも入っています。
57年前に長崎にやって来たピアノではありますが、音は今でも若々しく、音量も豊かで素晴らしいコンディションが保たれています。
まさに伝説のピアノと呼ぶにふさわしい楽器だと思います。
「長崎の宝」ともいえるこのピアノで、患者さん、ご家族のみならず当院スタッフも心が豊かになり、ストレスや辛さが少しでも軽減すれば
きっとご寄贈下さった橋本家の方々のご希望にも添えると思っております。
私共もこのピアノに恥ずかしくないような病院の運営を続け
患者の皆様やご家族に満足していただけるように努力したいと思っております。
皆様どうかよろしくお願いいたします。