院長通信(YouTube動画配信)『当院の現状について』

【院長ブログ】『DPC 特定病院群』について

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院長ブログ 03

今回は医療制度についてお話ししようと思います。少しわかりにくい点はあると思いますが、大事なことですのでお付き合いください。

現在当院をはじめとする多くの急性期病院はDPCという支払制度を採用しています。DPC制度(包括評価制度)とは、1日当たりの包括払い制度のことです。診療の標準化・透明化、さらに診療の質を向上させるためにDPC制度は導入されました。

DPC制度は手術・リハビリ・内視鏡検査などの出来高方式(実施された分だけ診療費が上積されるもの)のものを除き、病気ごとに1日当たりの医療費が定められています。

どんなに薬を使おうと、どんなに検査をやろうと、1日当たりの医療費は既に決められているというわけです。

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日本赤十字社長崎原爆病院 病室

出来高方式では、簡単に言うと、薬を使えば使うほど医療費は高くなる、検査をすればするほど医療費は高くなるというものです。また、DPCでは病気ごとに特定入院期間が定められていて、その入院期間を超えると、その日から出来高払いでの計算となり、一般的にDPCより低くなります。

DPC制度について簡単に箇条書きにすると⬇︎⬇︎

  • DPC制度は定額式の医療費算定システム
  • 病名に応じて1日当たりの医療費は決められている
  • どんなに投薬や検査をしても医療費は変わらない
  • 入院期間が長引くと医療費は下がる
  • 全部が定額ではなく、手術やリハビリ等は出来高方式

ということになります。

従いまして、DPC制度を導入しているDPC対象病院では、無駄な投薬や検査はしないし、入院期間もできるだけ短くしようとします。

患者さんにとってのDPC制度のメリットは、医療費が安くなることです。出来高方式の時は薬や検査が多くなると、医療費もそれに伴って高くなっていました。しかし、DPC制度は1日当たりの医療費が定額制ですから、たとえ治療過程で検査や薬が多くなったとしても、患者さんが支払う医療費は変わらないのです。

また、DPC制度によって、DPC対象病院ではどこでも一定の質の医療・標準的な医療を受けられるというメリットもあります。

しかし、注意点もあります。この制度は1入院1疾患が原則ですので“入院のついで”に他の治療を行うことができないという事です。もちろん緊急の場合はこの限りではありませんが内科に入院したついでに整形外科の病気を診てもらおうという事は原則できません。

 一方DPC制度の病院側のメリットは、医療の質を一定に保つことができることです。DPC制度によって、医療の標準化・効率化を進めることができます。これに対応して当院でもクリニカルパスという診療の統一を図る方式を採用して、主治医の違いで医療の質が変わらないような工夫も行っております。

また、現在は国民の高齢化に伴い、医療費の増大が社会問題になっています。

DPC制度は1日の医療費が決められていて、病院が無駄な検査・投薬を控え、最小限で効果的な治療方法を選ぶため、医療費の抑制につながります。

医療費が抑制されれば、国民皆保険制度を維持しやすくなるし、健康保険料を値上げしなくて済むということにもつながります。

このようにいいことづくめのようですが病院としては一定の診療レベルを保つべく絶えず努力をする必要があります。

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日本赤十字社長崎原爆病院 13階病棟


さて、このDPC病院にも区分があり、大学病院本院群、特定病院群、標準病院群の3つの種類があります。

当院のような一般病院の場合後2者のどちらかに区分されます。多くは標準病院に区分され、ちなみに2020年度の全国における施設数実績では大学病院本院群82,特定病院群156、標準病院群1519となっています。長崎県では現時点で佐世保市総合医療センターと国立長崎医療センターのいずれも500床を超える2病院のみが特定病院群です。

当院もこれまで標準病院群でしたがこの4月より特定病院群に変更になりました


これは多くの複雑な疾患群を効率よく診療している、つまり医療の質が評価されたという事であり喜ばしく思っております。

今後もより医療の質を高め患者の皆様に良質で安全な医療を提供するべく頑張ろうと思っております。

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日本赤十字社長崎原爆病院



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